2025年03月26日

スニーズ・ラブ 122



  • b さらばソネ風呂(2025-03-01)blog
  • SSブログ(旧So-net blog)は3月末で終了する。「スパイ大作戦」 のミッション・テープみたいに自動的に消滅しちゃうわけだ。数年前から既にソネブロ(So-net blog)ではなかったが、ブログの名称が変わるだけでフォーマットはSSブログへ引き継がれていた。今度こそ新ブログ(Seesaa blog)へ完全移行する。記事とコメント、画像ファイル、それにリンクも引き継がれるようなので少し安堵しているが、現在表示されているSSブログのレイアウトと機能を再現出来るかどうは不透明。こればっかりは実際に移行作業をしてみないことには分からない。今のうちに記事を書き溜めして、時間的な余裕が生じたら移行しようかと考えている。米新大統領の就任と関係があるのかどうか、ネットの世界も俄かにキナ臭くなって来た。WordPressの雲行きも怪しい(「Webクリエイターボックス」 はWordPressからmicro CMSに移行した)。トランプ政権に擦り寄ったメタ(Meta)は 「ファクト・チェック」 を廃止。英ガーディアン紙やドイツ、オーストリアの60を超える大学や研究機関、仏ル・モンド紙、リベラシオン紙、パリ市なども虚偽情報を垂れ流すX(旧ツイッタ)から撤退した。

  • b シュレディンガーの黒猫(2025-03-08)books
  • 『3つの鍵の扉』(晶文社 2013)はファンタジー仕立ての子供向け素粒子論入門書。少年ニコはベッドの上で金縛りになったように動けなかった。通りを走る車が反射して天井に映し出されるように、「何かを変えたいのなら、いつもとちがうことをしよう」 というメッセージが現われたのだ。ママに急かされて慌ただしく家から出たニコは遅刻するのにも構わず、謎のメッセージとロバート・フロスト風の詩に背中を押されて、学校への坂道とは逆の方向に上って行く。荒れ果てた大きな家の前で足を止めた。今にも壊れそうなボロ屋なのに、入り口の扉だけは真新しくて、頑丈そうな鍵穴が3つもあった。扉の左端に現われたインターホンの赤いボタンを押すと、「待ってたわ、どうぞ入って」 という声が遠くから聞こえた。ニコは鍵がないので扉を開けられないと悩むが、鍵は架かっていなかった。一歩中に入ると深い闇。足元で何かの影が動くのを見て驚き、後ず去ると背中が扉に当たって真っ暗になった。大きな黒猫だった。素粒子界に迷い込んだニコが少年科学者エルドウェン、妖精Qキオーナ、小人イリーナ、シュレディンガーの黒猫に案内されて、ゼン・オー師匠に会いに行く。

  • b 高杉新作(2025-03-15)event
  • 年明け早々からデジタル配信されたアルバムのフィジカル化や年間ベスト級のリリースで嬉しいけれど、依然として輸入盤(LP・CD)が高すぎる。為替レートが多少円高に振れても、高値を維持したまま下がる気配が一向にない。「令和の米騒動」 で小売り価格が2倍増(5kg、4千円超)、キャベツ一玉500円という主食や野菜の異常な高騰ほど理不尽ではないが、2月に購入したアルバム(CD)3枚で1万円超えは流石に痛すぎる。FKA twigsの《Eusexua》(Young 2025)はデジパック仕様のUK盤(US盤はジュエルケース入り)。Cindy Leeの《Diamond Jubilee》(W.25th 2025)はUS盤(2CD)。Magali Datziraの《La Salut I La Bellesa》(Bankrobber 2024)はEU盤。金銭感覚が麻痺しちゃったのか、昨年末16年ぶりにリリースされたThe Cure《Songs Of A Lost World》(Fiction 2024)の 「Deluxe Edition」(2CD+Blu-ray)は案外安かった(¥3740)のではないかと思い直したりして。

  • b 鏡の中の世界(2025-03-22)books
  • 『ふしぎな鏡をさがせ』(小学館 2024)は少年ジンがアリスのように鏡を通り抜けて、祖父(鏡の世界から来たおじいちゃん)の失くした手鏡を探しに行くファンタジー絵本。祖父の残したヒントを手がかりに、書斎の鍵の架かった引き出しの暗証番号を見つけたり、黒猫キティと一緒に 「鏡は何色でしょうか?」 という問題を解いて、ベルサイユ宮殿(鏡の間)行きの鏡のエレベーターのドアロックを外したりする。読者も 「付録の鏡シート」 を使って、ジンと同じように鏡文字を書いたり、万華鏡を手作りしたり、ブルネルスキの遠近法で絵を描いたり、立方体をアナモルフォ ーシス(Anamorphosis)で描いたりして遊べる。ジンの冒険も合わせ鏡の無限回廊のように奥深い。おじいちゃんの飼い猫キティも水先案内人以上の重大な役割を演じる。ラストの 「ドンデン返し」 には意表を衝かれた。イヌオオカミは冥界の番犬ケルベロスだったのか、鏡の世界はパラレル・ワールド、それとも 「黄泉の国」 だったのか。横尾忠則の 「アート書評」(朝日新聞 朝刊 10/26)も鏡文字だった。

  • b 明日の朝は星の上(2025-03-29)books
  • 初版(盛光社 1967)、復刊(すばる書房 1977)の絵本『あしたのあさは星の上』(Pヴァイン 2017)が50年ぶりに復刻(ele-king books)された。舞台はアメリカ南部の町。黒人農夫(チョコレートじいや)が主人の息子(ぼうや)に語るホラ話。風に乗って飛んで来た中折れ帽子を拾った白人の金髪を食べる 「ぼうしが空をとんできた」。子供の神様が白い星屑を丸めて作った地球。鳥の羽を翼にして太陽を取って来ようとした青年が炎に焼かれて黒人となった 「よるの色ひるの色」。ある夏の夜、裏の丘にUFOが降りて来て、鉄の玉を埋める 「空とぶえんばん」。太陽が大爆発する1カ月前に玉蜀黍畑から 「ねずみがいなくなった」。「あしたのあさは星の上」 は太陽爆発の10時間前、巨大な空飛ぶ円盤が飛来して、町の住民の半数(黒人)を救出しようとするのだが、それは 「奴隷船」 だった。作者は半世紀以上前から人種差別(レイシズム)や多様性の尊重(ダイヴァーシティ)というテーマの裏にある人類の愚かさへの警鐘を鳴らしていた。実験的な手法で描いた破滅SF 「そして‥‥だれもいなくなった」(1967)の絵本版には救いが込められている。

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    • 別館ミニ・ブログ「スニーズ・ラブ」の1カ月分(2025-03)を纏めました^^;

    • 別館ミニ・ブログ(sknys-lab)は閉鎖・削除しました(2025・3・31)
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    s k n y s - s y n k s

    s k n y s - s y n k s

    • Author: sknys
    • Articles: 1262
    • Date: 2025/03/01
    • Page View: 4,844,662
    • Media: Blog


    EUSEXUA

    EUSEXUA

    • Artist: FKA twigs
    • Label: Young
    • Date: 2025/01/31
    • Media: Audio CD
    • Songs: Eusexua / Girl Feels Good / Perfect Stranger / Drums of Death / Room of Fools / Sticky / Keep It, Hold It / Childlike Things / Striptease / 24hr Dog / Wanderlus


    Diamond Jubilee

    Diamond Jubilee

    • Artist: Cindy Lee
    • Label: W.25th
    • Date: 2025/02/21
    • Media: Audio CD(2CD)
    • Songs: Diamond Jubilee / Glitz / Baby Blue / Dreams Of You / All I Want Is You / Dallas / Olive Drab / Always Dreaming / Wild One / Flesh And Blood / Le Machiniste Fantome / Kingdom Come / Demon Bitch / I Have My Doubts / Til Polarity's End / Realistik Heaven // Stone Faces...


    La Salut I La Bellesa

    La Salut I La Bellesa

    • Artist: Magali Datzira
    • Label: Bankrobber
    • Date: 2025/01/02
    • Media: LP Record / Audio CD
    • Songs: Hi ha un abisme / He sortit a córrer / 1 o 1000 / Intro Pedaços / Pedaços / Int - Don't / Gerani / fffff / 2h32' / Em porto bé / La salut i la bellesa / Goddess / Long life to the newborn / Cançó de fer cami. / Cànon per l'Ana / Merèixer / Trenem-nos


    3つの鍵の扉: ニコの素粒子をめぐる冒険

    3つの鍵の扉 ニコの素粒子をめぐる冒険

    • 著者:ソニア・フェルナンデス=ビダル(Sonia Fernández-Vidal)/ 轟 志津香(訳)
    • 出版社:晶文社
    • 発売日:2013/11/04
    • メディア:単行本
    • 目次:謎のメッセージ / 3つの鍵の家 / 物質と反物質 / トンネルの術 / 量子界の妖精 / 相対時間工房 / 双子 / 標準模型 / テレポーテーション / 量子知能センター / スーパーポジシ ョン / ゼン・オー師匠 / シュレディンガーの猫 / ボス・ヒッグス / 宇宙最強の吸血鬼 / 量子界のクリプテックス / 迷宮 / 迷宮の入口 / 真実の道 / 3つの道 / シャンブラ / 最優秀...


    ふしぎな鏡をさがせ

    ふしぎな鏡をさがせ

    • 著者:キム・チェリン / イ・ソヨン(絵)/ カン・バンファ(訳)
    • 出版社:小学館
    • 発売日:2024/07/11
    • メディア:単行本
    • 内容:美術・科学・数学・工作等、様々な切り口で<鏡>の不思議を解き明かしていく冒険物語。韓国では2020年に科学と創作を融合した優秀作品に選出されています。巻頭付録の鏡シートを使って、物語の鍵となる謎解きを実際に体験できます。オールカラーでイラストや図版もたっぷり。イラストはボローニャ国際絵本原画展やブラチスラバ世...


    あしたのあさは星の上

    あしたのあさは星の上

    • 著者:石森 章太郎
    • 出版社:Pヴァイン
    • 発売日:2017/03/17
    • メディア:単行本(ele-king books)
    • 目次:はじめに / ぼうしが空をとんできた / よるの色ひるの色 / 空とぶえんばん / ねずみがいなくなった / あしたのあさは星の上
    posted by sknys at 00:11| Comment(2) | s k n y s - l a b | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする