2025年12月01日

スニーズ・コメンツ #80



  • 「あんた」 太った男が大声でいった。「酔ってるね。でも ── 酔っ払いは好きだ」 お代わりを注文し、「教えてやるから、耳の穴をかっぽじって聞きな」 と太った男。「ガキのころから二十年かけて、一層また一層と、おれはこれを造りあげた」 地球儀のような太鼓腹をかかえ、聞く者に美食の地理学を教授する。「終夜興行のサーカスとはちがうんだ。演しものがくり広げられるテントは、夜明け前には張られない。おれは純血種の犬や猫や、そのほかいろんな動物みたいに内臓を養ってきた。おれの胃袋は太ったピンクのペルシャ猫だ。眠ってばかりいるが、ある一定の間隔で目をさまし、喉を鳴らしたり、ニャーニャー鳴いたり、うなったり、チョコレートをくれと叫んだりする。たっぷりと食わせてやれば、こっちのいうことを聞くようになる。それにね、おれの内臓は世にも稀な純血のインド産ニシキヘビで、つるつるしていて、とぐろを巻いていて、つやつやと赤くて健康そのものなんだ」
    レイ・ブラッドベリ「骨」


  • b 碧南市藤井達吉現代美術館「橋口五葉のデザイン世界」
  • 『吾輩ハ猫デアル』は小説よりも、橋口五葉の装幀が良かったりして。ネタ本と思しきE・T・A・ホフマンの二重小説『牡猫ムルの人生観』(東京創元社 2024)の方が断然面白かったなぁ。エゴン・シーレ(Egon Schiele 1890-1918)もスペイン風邪で早逝しましたね。
    P.S. 旧リンクが切れちゃいました。リダイレクトは期間限定だったのかしら? しーちゃんのリンク(旧URL)は修正しておきました。
    by sknys (2025-09-01 12:59)

  • b 猫の王と鼠の王 #1
  • 猫は私の上に乗っかり、私に枕のひとつを取るのを許すと、すかさずこう話しかけてきた──「私は夢先案内人だ。
    レオノール・フィニ『夢先案内猫』

  • 「猫にご用心」(1553)に初登場した妖猫グリマルキンは牝猫です。コラン・ド=プランシーの『地獄の辞典』(第六版 1863)には「猫に化けてサバトに現われる魔神を、英国の魔女たちはグリマルキンと呼ぶ」 とあります。
    レオノール・フィニの牡猫 「オネイロポンプ」(Oneiropompe)は猫王なのかしら? ナタリア・ラフォルカデちゃんがコスプレした大山猫(Lynx)も猫王っぽいけれど。
    by sknys (2025-09-05 20:17)

  • b 花冠の猫さん
  • 大島弓子の 「草冠の姫」 じゃないけれど、「花冠の猫」 さんも可愛いな。ラヴレター(Loveletter)の〈Rose Petals Incense & A Kitten〉が思い浮かびます。「ミャーオン、プルプルプル‥‥」 というサイモン・ターナー(Simon Turner)の声色が泣かせるにゃん。
    リンク切れの経緯について、詳しく書かれている記事〔註:「SSブログから引っ越してきました!(追記あり)」 〕を見つけました。繋がったり、繋がらなかったりしたモヤモヤ感が解消されました。今後復活することは二度とないという悲しい結論ですが。
    by sknys (2025-09-28 12:06)

  • b Hermeto Pascoal
  • エルメート・パスコアールが亡くなったことは知りませんでした。若い美人妻(Aline Morena)のアルバムは 「大洋レコード」 で購入しましたが、別れちゃったんでしょうか。門下生のジョアナ・ケイロス(Joana Queiroz)は大好きなクラリネット奏者です。
    MacOS Tahoe 26にアップグレードしました。Sequoia 15から11もジャンプアップしたのは西暦(2026)に合わせただけなのか? Launchpadが消えちゃって、Widgetsが常時表示されている! 上部の黒いノッチは 「リキッド・グラス」 化しないのかと思ったりして。
    by sknys (2025-09-16 23;00)

    アップルから通知は来ません(オート設定で自動的にアップデートするように変更されました)。「Software Update」 からインストールして下さい。レオノーラ・キャリントン(Leonora Carrington)の中・短篇集を読んでいるところですが、今月購入した芽衣シモネス(Mei Semones)のアルバム《Anumaru》(Bayonet 2025)のレヴュー(Pitchfork)に、レオノーラ・キャリントンへの言及があって驚きました。こういうシンクロニシティーというか、偶然性がシュルレアリスムの真髄なのかしら?
    by sknys ((2025-09-24 12:05)

  • b 重症熱性血小板減少症候群 SFTS覚書
  • お寺のネコを撮った時、体に茶色の小さな虫が付着していた。これが話題のマダニ(ツツガムシ?)なのかと思いました。元祖ライオット・ガルーのキャスリーン・ハンナ(Kathleen Hanna)はライム病に感染して闘病していたことを公表しています。言わずと知れたビキニ・キル(Bikini Kill)〜ル・ティグラ(Le Tigre)〜ザ・ジュリー・ルイン(The Julie Ruin)のフロント・ウーマン。Bikini Killの 「シングル集」 はピッチフォークのレヴューで、10点満点を獲得しました。
    MacOS 26にアップデートしたら、同じ曲なのかとビックリするほど音質が向上しました。イコライザーを裏定番の 「Perfect」 にプリセットしているので、元々高音質なのですが。フォルダにファイルをドラッグして重ねると、パカっと開いて閉じるギミックも愉しいな。
    by sknys (2025-09-22 12:40)

  • b ハルシネーション
  • 答えの解っている質問を敢えてすることで、AIの実力が分かるような気がします。微に入り細に渡る質問を深掘りして重ねて行くと、次第に欲求不満というか、不愉快になって来る。AIが全く忖度せず、質問者の意向に沿った回答(誤答を含めて)をしないから。生身の人間が対応する 「こども電話相談室」 や 「人生相談」 と大きく違うところではないかしら。だんだん腹立たしく不機嫌になって行くのはメンタルヘルスにも良くないなと感じました。ChatGPTとの対話が少年(16歳)を自殺に追いやったとして、両親が提訴した米ニュースも他人ごとではない?GoogleAIに動かぬ証拠を挙げて誤りを正すと、今まで断定・高圧的だった態度を一変させて、「私の不勉強・力不足でした」 と低姿勢で謝るところが嗤えます。こういうアルゴリズムになっているのか、苦情(クレーム)対応のコールセンターみたいですが。
    by sknys (2025-10-04 12:42)

  • b 花冠の猫さん お人形になりました
  • 17世紀フランスの風刺童話を改変した 「白猫の離婚」 のラストが衝撃的だったからか、「白猫の人形」 は可愛いだけじゃない、艶かしい魔性を秘めているのではないかと思ったり。ケリー・リンクの短篇集『白猫、黒犬』(集英社 2024)に収録されています。表紙は猫画家のヒグチユウコさんです💕
    by sknys (2025-10-10 21:35)

  • b 関西万博2025 ■ 最近の近況
  • カミラ・グルドーヴァ〔註:「猫を抱くカミラ」〕の初短篇集『人形のアルファベット』(河出書房新社 2025)に黒いミシンが出て来ました。「ワクシー」 の女主人公(わたし)はミシンのフレームに金色のペンキで 「ナイチンゲール」 という社名を書き入れる仕事をしています。「アガタの機械」 はミシンを改造した幻灯機で、屋根裏部屋の壁に妖しい幻影を映し出す。「蜘蛛の手記」 は8本足のクモ男がフローレンス(ミシン)に恋をする。ミシンの名前がフローレンス・ナイチンゲールなのは謎ですが。
    by sknys (2025-11-01 12:44)

  • b 花瓶(徳利)に模様をつける その1 化粧土で絵付け
  • やっぱり猫の花瓶が良いなぁ。猫と薔薇といえば、この 「ネコード」〔註:Pale Saints《The Comforts of Madness》〕です。
    by sknys (2025-11-11 22:41)

  • b 伝統ムーア・ロッカーの新境地 ヌーラ・ミント・セイマリ
  • 初めまして。同じSSブログでしたが、Seesaaへの移行はレイアウトの崩れやリンク切れの修正に難儀しました。営業再開したエル・スール(江戸川橋 EL SUR RECORDS)でヌーラ・ミント・セイマリ(Noura MintSeymali)のアルバムを購入。閉店セール(渋谷)の時に、店主H**さんに勧められて入手したマリア・ロデス(Maria Rodes)のアルバム《Maria Canta Copla》(Chesapik 2014)がマリア・ドロレス・プラデーラ(Maria Dolores Pradera 1924-2018)へのオマージュ(ジャケ写真が瓜二つ!)だったこと、ナタリア(Natalia Lafourcade)やロサリア(Rosalia)、ファナ(Juana Molina)の新譜など、スペイン語圏の女性SSWについて話したり。骨から犬に 「犬身」(松浦理英子)したアルバムのCDリリースはあるんでしょうか?
    by sknys (2025-11-27 12:03)

                        *

    ブログ記事に付けた「外コメント」を纏めてみたら結構面白いかも?‥‥というアイディアから生まれた再録シリーズの第80集です。コメントは原則としてオリジナルのまま時系列順に転載。事実誤認(誤記)や誤字・脱字、改行の無効化、句読点や記号・顔文字の有無などを精査。内容の分かり難いコメントには補足説明(註)をして、コメントした元記事にリンクしました。過去3カ月間(2025・9・1~11・30)に書いたものの中から、第三者がコメントだけ読んでも面白いものを中心にセレクトしています。 漸く長い猛暑が終焉したかと安堵する暇もなく、いきなり真冬になってしまった。「春夏冬」(秋ない)どころか、日本の四季は春も来ない夏と冬の二季になってしまったかのようだ。最早一刻の猶予もないのに、保守派は気候変動の原因とされる地球温暖化対策(Co2の削減)に消極的で、原発再稼働を推進する。「原発はバクハツだ!」(赤瀬川原平)という岡本太郎のパロディを忘れ去ってしまったらしい。「クリーン・エネルギー」 を夢見ていて、まだ片目しか開いていないのだろうか?

                        *



    10月はたそがれの国

    10月はたそがれの国

    • 著者:レイ・ブラッドベリ(Ray Bradbury)/ 中村 融 (訳)
    • 出版社:東京創元社
    • 発売日:2024/09/23
    • メディア:文庫(創元SF文庫)
    • 目次:序文 どうせ死ぬなら、わが声が絶えたあと / こびと / つぎの番 / アンリ・マチスのポーカー・チップの目 / 骨 / 壜 / みずうみ / 使者 / 熱気のうちで / 小さな暗殺者 / 群集 / びっくり箱 / 大鎌 / アイナーおじさん / 風 / 二階の下宿人 / ある老女の話 / 下水道 / 集会 / ダドリー・ストーンのすてきな死 / 訳者あとがき

    牡猫ムルの人生観

    牡猫ムルの人生観

    • 著者:E・T・A・ホフマン / 酒寄 進一(訳)
    • 出版社:東京創元社
    • 発売日:2024/11/29
    • メディア:単行本
    • 目次:編集人の序文 / 作者の序 / 諸言 / 生きている感触 青春の歳月 / 青年期の体験わが輩もまた理想郷にあり / 修行の歳月 偶然の気まぐれな戯れ / 高尚な教養を身につけて得た有益な成果 成人に達した者の成熟した歳月 / 編集人の跋文 / ホフマンの年譜 / 訳者あとがき

    地獄の辞典

    地獄の辞典

    • 著者:コラン・ド=プランシ-(Collin De Plancy)/ 床鍋 剛彦 (訳)
    • 出版社:講談社
    • 発売日:1997/11/01
    • メディア:文庫(講談社+α文庫)
    • 内容:19世紀前半、ヨーロッパでは怪奇趣味が大流行した。当時信じられていた地獄思想や悪魔、幽霊、魔術師などを銅版画の挿図つきで集大成したものが、1818年にフランスで出版された『地獄の辞典』である。この怪奇と幻想に満ちた世紀の奇書を初めて日本語訳した本書は、西欧文化の隠された深層を知ることができる貴重な辞典である。

    猫にご用心

    猫にご用心

    • 著者:ウィリアム・ボールドウィン(William Baldwin)他 / 大久保 ゆう (編・訳)
    • 出版社:日本印刷出版
    • 発売日:2025/03/28
    • メディア:単行本(soyogo books))
    • 目次:まえがき / 猫にご用心(1553年)/ 猫の王様 伝承編「猫の王様」の噂を伝える偽作書簡の抜粋(1780年頃)/ 詩篇 猫の王(1800年前後)/ 猫の王様(1908年)/ 猫の王様 物語篇 / 猫のアラビア夜話──グリマルカン王(抄・1881年)/ 猫王グリマルキン伝より──『もふもふ民の伝記集』収録(1910年)/ 解説・訳者あとがき

    Animaru

    Animaru

    • Artist: Mei Semones
    • Label: Bayonet
    • Date: 2025/05/02
    • Media: Audio CD
    • Songs: Dumb Feeling / Dangomushi / Tora Moyo / I Can Do What I Want / Animaru / Donguri / Norwegian Shag / Rat With Wings / Zarigani / Sasayaku Sakebu

    THE SINGLES

    THE SINGLES

    • Artist: Bikini Kill
    • Label: Bikini Kill Records
    • Date: 2018/09/25
    • Media: Audio CD
    • Songs: New Radio / Rebel Girl / Demirep / In Accordance To Natural Law / Strawberry Julius / Anti-Pleasure Dissertation / Rah! Rah! Replica / I Like Fucking / I Hate Danger

    白猫、黒犬

    白猫、黒犬

    • 著者:ケリー・リンク(Kelly Link)/ 金子 ゆき子(訳)
    • 出版社:集英社
    • 発売日: 2024/10/25
    • メディア:単行本
    • 目次:白猫の離婚 / 地下のプリンス・ハット / 白い道 / 恐怖を知らなかった少女 / 粉砕と回復のゲーム / 貴婦人と狐 / スキンダーのヴェール / 謝辞 / 訳者あとがき


    人形のアルファベット

    • 著者:カミラ・グルドーヴァ(Camilla Grudova)/ 上田 麻由子(訳)
    • 出版社:河出書房新社
    • 発売日:2025/05/15
    • メディア:単行本
    • 目次:ほどく / ネズミの女王 / ゴシック協会 / ワクシー / 人形のアルファベット / 人魚 / アガタの機械 / サイ / 蠟燭受けの悲しき物語 / エドワード、死者を甘やかすなかれ / ハンガリー産イワシ / 蛾の館 / 蜘蛛の手記 / 訳者あとがき

    夢先案内猫

    夢先案内猫

    • 著者:レオノール・フィニ (Leonor Fini) / 北嶋 廣敏(訳)
    • 出版社:工作舎
    • 発売日:1980/01/01
    • メディア:単行本
    • 目次:猫は私の上に乗っかり、私に枕の1つを取るのを許すと、すかさずこう話しかけて来た ── 「私は夢先案内人だ‥‥」 / 婦人は私の脚に軽く触れながら、猫の背中や腹部への愛撫を止めなかった。そして、「パリの私のところへいらっしゃいな‥‥」 / しかも彼女が猫を自分にくれとでも言いだしたかのように、私は内心いわれのない恐怖心にさいなまれるのだった。/ 私は猫に夢の内容を話して聞かせた。猫は注意深く...

    The Comforts of Madness - 30th Anniversary Remaster

    The Comforts of Madness - 30th Anniversary Remaster

    • Artist: Pale Saints
    • Label: 4AD
    • Date: 2020/01/17
    • Media: Audio CD(2CD)
    • Songs: Way The World Is / You Tear The World In Two / Sea Of Sound / True Coming Dream / Little Hammer / Insubstantial / A Deep Sleep For Steven / Language Of Flowers / Fell From The Sun / Sight Of You / Time Thie // Sight Of You / Way The World Is / Language of Flowers / You Tear The World In Two / Fell From The Sun / ...


    Yenbett

    Yenbett

    • Artist: Noura Mint Seymali
    • Label: Glitterbeat
    • Date: 2025/11/09
    • Media: LP Record / Audio CD
    • Songs: Bidayett Lehjibb / Lehjibb / Guéreh / Wezeun (Lebteït) / Knou / Moughadim Karr / Jraad / Radatt Lebiyaad / Tassirit / El Vaïz (Seni Karr) / Ch’tib (Naha) / Wezeun (Vaghou) / Hagala Geyeul / Wezeun (Likhal Karr) / Lebleida
    posted by sknys at 00:07| 東京 ☔| Comment(2) | c o m m e n t s | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする