2026年03月01日

スニーズ・コメンツ #81



  • 「猫の刻参りは、人と女子と猫のあいだの、密かな約定の下に行われるもの」 / おぶんの肩の上で、チャミが囁く。/ 「人の女子も猫どもも、愛でられながら恐れられる。人の女子は血の穢れを忌まれ、猫どもは化生のものであると忌まれる。罪も咎も、女子も猫どもの上にはないというのに」 / それ故に、女子も猫も恨むのだ。祟るのだ。/ 「猫の刻参りは悲しきもの。猫神様はおいたわしきもの」 / チャミの囁きに聞き入っているうちに、おぶんとお秀の足は宙を踏んでいた。夜空の雲の上を遭歩んでいる。/ 目を上げると、巨きな猫じゃらしの森が見えてきた。/ 静かだ。/ 白い丸石が敷き詰められた小道を歩み、猫じゃらしの森を抜けてゆくうちに、おぶんは気がついた。/ 猫神様の鳴き声──祝詞が聞こえてこない。/ 前方の森のなかには、いくつかの猫風船の輪郭が浮かび上がってきた。初めて来たときには、このあたりにさしかかったら、もう悲鳴のような叫びが耳についたものだったのに、今は静まりかえっている。/ おぶんの心は、安堵と不安でよじれた。
    宮部 みゆき「猫の刻参り」


  • b 『猫の刻参り』宮部みゆき
    • 「うちのおっかさんは、そっちの方では天女じゃなくて化け物だと言ってました」
      宮部 みゆき 「百本包丁」
    全三話、面白かったけれど、長いなぁ。化け猫、河童、山姥‥‥京極本(百鬼夜行シリーズ)みたいになって来たにゃん。花蝶に潰された山桃の片眼は御台様が治してくれたのかしら?
    Posted by sknys (2025-12-05 12:22)

  • b インド~牛さん、犬さん、象さん
  • え〜〜〜〜っ! ぶーけさんがインドへ行って来たとはビックリです。旅行嫌いなんですが、インドで水は飲むなというのは見聞きして知っていました。「ぞうさん」 についても、「ピンクのぞう」(ダンボが酔っ払って見た幻覚)について調べたことがあるくらいの豆知識しかありません。大濱普美子の 「たけこのぞう」 は 「象」 ではなく、「像」 でしたが。
    Posted by sknys (2025-12-11 22:33)

  • b 2025年ベストアルバム(暫定版)

  • 輸入盤リリース〜購入順。2025年の発見は芽衣シモネスさん。ちょうどレオノーラ・キャリントンの『石の扉』(国書刊行会 2025)を読んでたので、「デビュタント」 に言及したレヴ ュー(Pitchfork)には驚きました。ギースのアルバム(CD)は入手難で、横浜まで買いに行った。ナタリアはCDの方がLPよりも2曲多く、ロサリアは配信よりもフィジカル(LP・CD)の方が3曲も多い。
    Posted by sknys (2026-01-02 11:13)

  • b 2026年 ■ 新年ご挨拶
  • 今住んでいる住居が老朽化建て替えのため、引っ越しすることに。まだ移転先が決まらないので、鬱陶しい気分のまま新年を迎えました。この機会に断捨離したいなぁ。基本的に本は捨てる、アルバム(LP・CD)は残すという方針ですが、考えるだけで億劫で、どうなることか不安です(渋谷から江戸川橋へ移転、12月に営業再開した 「EL SUR」 の店主はギックリ腰になったそうです)。Victorのオーディオシステムはコンパクトで、良さそうですね。音楽はノートブック(MacBook Pro14)とCDプレイヤー(Sony CDP-XA5ES)で聴いています。
    Posted by sknys (2026-01-02 11:44)

  • b インド~紅茶とチャイ
  • インドにはチャイを飲み終えた後に、素焼きカップ(クルハド)を地面に叩きつけて割る習慣があるそうです。その理由として、Google AIは 「衛生的・宗教的な配慮」 「環境への還元(サステナビリティ)」 「独特の風味(素焼きの 「土の香り」 が加わる)」 と解説しています。トワイニングって中級品なんですよね。高級なフォーションが特に美味しいとは思いませんが。お気に入りは2匹の黒猫が主人の帰る日を予知してポーチで出迎えていたというエピソード(本当の話)のジャンナッツ(JANAT)です。『すてきなあなたに』(暮しの手帖社 2012)の〈ポットに一つ、一人に一つ〉を読んで、英国流紅茶の入れ方(1人で飲む時もポ ットに茶さじ大盛り2杯を入れる)の疑問が解けました。ぶーけさん、分かりますか?
    Posted by sknys (2026-01-06 12:48)

  • b 大阪中之島美術館「拡大するシュルレアリスム」
  • 一昨年は『百年の孤独』(新潮文庫 2024)の小町娘レメディオス(バロ)と 「デ・キリコ展」(東京都美術館)の 「形而上絵画に潜むギュスターヴたち」(ヒグチユウコ画)、昨年は 「ミロ展」(東京都美術館 2025)とキャリントンの中・短篇集『石の扉』で盛り上がりました。「レオノーラ・キャリントン展」(東京ステーションギャラリー 1997)、「バロ展」(伊勢丹美術館 1999)以来、日本で開催されていないのは残念ですが。
    P.S. 「少女漫画・インフィニティ 萩尾望都×山岸凉子×大和和紀 三人展」(国立新美術館 2026年10月28日〜27年2月8日)開催されるそうです。
    Posted by sknys (2026-01-10 12:08)

  • b 愛知県美術館「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」
  • 12月中旬から平日も予約制になっちゃうので、早めに東京都美術館へ行きました。会場入口前に数十人が並んでいて、入場制限なのかと落ち込んだけれど、夜間入場者先着300名に配布される 「ステッカー」 が目当てで混んでいたようです。ゴッホの作品が全36点(油彩、手紙など)と少なかったのは残念にゃん。最後に展示されていた 「農家」(Farmhouse 1890)のグリーン系の色彩と歪んだ家屋に魅了されました。
    Posted by sknys (2026-01-19 21:06)

  • b 花瓶に模様をつける その9 呉須で遊ぶ
  • 呉須は藍色の顔料なのに、花瓶は青緑っぽい色合いになりましたね。陶芸ネタが尽きちゃったので、カヴィンスキー(花瓶好きぃ?)の〈Nightcall〉をお届けします。パリ五輪閉会式のハイライトが漸く公式にアップされました。赤目グラスのカヴィンスキー(Kavinsky)、フェニックス(Phoenix)のトーマス・マーズ(Thomas Mars)、ベルギーの妖精アンジェル(Angele)さまの揃い踏みですが、若い女性を深夜ドライヴに誘う変質者(?)の激ヤバ曲! マリー・アントワネットの首とか、王の首を斬った国は良くも悪くもタブーがない?
    Posted by sknys (2026-02-02 19:12)

  • b 雪日
  • 衆院選の投票日は東京も雪模様でした。午後には降り止んで、歩道に雪は積もっていませんでしたが、この冬一番の凍える寒さ。外ネコに出会える機会もなさそうなので、デジカメ(NEX-5N)は携行しませんでした。スマホを持ち歩けばカメラは不要になるのかと思うと、少し寂しい心持ちになったりして。いずれにしても、「雪だるま」(Snowman)が現われるほどの降雪ではなかったようです。
    Posted by sknys (2026-02-09 22:19)

  • b『English Settlement』記念日
  • 入手したUS盤がシングルLPだったり、なかなかフル・ヴァージョンを聴けませんでした。お気に入りは《Rag and Bone Buffet》(1990)に入っている〈Down in the Cockpit〉のダブ・ヴァージョン〈Cockpit Dance Mixture〉かな?
    Black UhuruをプロデュースしたSly Dunbar(Sly and Robbie)が1月26日に、Fred Smith(Television)も2月5日に亡くなってしまいました。合掌。
    Posted by sknys (2026-02-15 20:19)

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    ブログ記事に付けた「外コメント」を纏めてみたら結構面白いかも?‥‥というアイディアから生まれた再録シリーズの第81集です。コメントは原則としてオリジナルのまま時系列順に転載。事実誤認(誤記)や誤字・脱字、改行の無効化、句読点や記号・顔文字の有無などを精査。内容の分かり難いコメントには補足説明(註)をして、コメントした元記事にリンクしました。過去3カ月間(2025・12・1~2026・2・28)に書いたものの中から、第三者がコメントだけ読んでも面白いものを中心にセレクトしています。年末年始は比較的静か穏やかに過ぎましたが、2月に入ってからは衆院選挙、冬季五輪と騒がしくなって来ました。女性総理の信任投票みたいになってしまった選挙は自民党の圧勝、中道改革連合の惨敗。「日本列島を、強く豊かに」(富国強兵?)というスローガンを掲げて単独過半数どころか、2/3超えの議席を獲得した自民党は国旗損壊罪、スパイ防止法、憲法改正へと鼻息荒く、馬車馬のように突き進むのか。2017年、ラナ・デル・レイ(Lana Del Rey)は大統領就任直後のトランプに呪いをかけたというけれど、「猫の刻参り」 をする日本人女性は現われるでしょうか?

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    猫の刻参り 三島屋変調百物語拾之続

    猫の刻参り 三島屋変調百物語拾之続

    • 著者:宮部 みゆき
    • 出版社:新潮社
    • 発売日:2025/02/25
    • メディア:単行本
    • 目次:序 / 猫の刻参り / 甲羅の伊達 / 百本包丁 / 富次郎の話──命の取引き


    猫の木のある庭

    猫の木のある庭

    • 著者:大濱 普美子
    • 出版社:河出書房新社
    • 発売日:2023/07/06
    • メディア:文庫(河出文庫)
    • 目次:猫の木のある庭 / フラオ・ローゼンバウムの靴 / 盂蘭盆会 / 浴槽稀譚 / 水面 / たけこのぞう / 文庫本あとがき / 解説・金井 美恵子


    恐怖の館 ── 世にも不思議な物語

    恐怖の館 ── 世にも不思議な物語

    • 著者:レオノーラ・キャリントン (Leonora Carrington) / 野中 雅代(訳)
    • 出版社:工作舎
    • 発売日:1997/09/10
    • メディア:単行本
    • 目次:序文またはロプロプは風の花嫁を紹介する マックス・エルンスト / 恐怖の館 / 卵型の貴婦人 / デビュタント / 女王陛下の召喚状 / 恋する男 / サム・キャリントン叔父さん / リトル・フランシス / キャリントン・アルバム / ダウン・ビロウ / 1987年 後記


    すてきなあなたに よりぬき集

    すてきなあなたに よりぬき集

    • 編集:暮しの手帖編集部
    • 出版社:暮しの手帖社
    • 発売日:2012/06/01
    • メディア:単行本(ソフトカヴァ)
    • 目次:はじめに(『暮しの手帖』編集長 松浦 弥太郎)/ 一月の章 / 二月の章 / 三月の章 / 四月の章 / 五月の章 / 六月の章 / 七月の章 / 八月の章 / 九月の章 / 十月の章 / 十一月の章 / 十二月の章


    English Settlement

    English Settlement

    • Artist: XTC
    • Label: Ape
    • Date: 2014/06/10
    • Media: Audio CD
    • Songs: Runaways / Ball and Chain / Senses Working Overtime / Jason and the Argonauts / No Thugs in Our House / Yacht Dance / All of a Sudden (It's Too Late) / Melt the Guns / Leisure / It's Nearly Africa / Knuckle Down / Fly on the Wall / Down in the Cockpit / English Roundabout / Snowman


    Rag And Bone Buffet

    Rag And Bone Buffet

    • Artist: XTC
    • Label: Geffen Goldline
    • Date: 1996/06/23
    • Media: Audio CD
    • Songs: Extrovert / Ten Feet Tall / Mermaid Smiled / Too Many Cooks In The Kitchen / Respectable Street / Looking For Footprints / Over Rusty Water / Heaven Is Paved With Broken Glass / The World Is Full Of Angry Young Men / Punch And Judy / Thanks For Christmas / Tissue Tigers (The Arguers) / I Need Protection / Another ...
    posted by sknys at 00:10| 東京 ☀| Comment(0) | c o m m e n t s | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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