caroline 2 (Rough Trade 2025) caroline520
英ロンドンの8人組ポスト・ロック・バンド。Jasper Llewellyn(ギター)のヴォーカルは心許ないが、Oliver Hamilton(ヴァイオリン)、Magdalena McLean(ヴィオラ)、Alex McKenzie(ベース・クラリネット)、Frederick Wordsworth(トロンボーン)などが渾然一体となったノイジーなサウンドは実験色が濃い。〈Tell Me I Never Knew That〉はCaroline Polachek(ヴォーカル)、元Goat GirlのNaima Bock(コーラス)が2曲にゲスト参加。全8曲・40分。見開き紙ジャケ仕様、4つ折り歌詞カード付き
LOTUS (AWAL 2025) Little Simz519
Infloと袂を分かったリトル・シムズの6thアルバムはMiles Clinton James(Kokoroko)のプロデュース。Obongjayar、Moonchild Sanelly、Lydia Kitto、Moses Sumney、Yukimi Nagano(Little Dragon)、Wretch 32、Michael Kiwanuka、Sampha、Yussef Dayesなど、多彩なゲストと共演している。アルバム・タイトルについて 「蓮が泥水に咲く唯一の植物あることに魅了されていると説明する」。「変装した悪魔」 と揶揄したポスト・パンクの〈Thief〉など、全13曲・50分。ジュエルケース仕様、2つ折りカード入り
10 (Forever Living Originals 2025) SAULT518
突然生じた金銭トラブルによってイメージが悪くなってしまった英覆面バンドの10thアルバム。訴訟を起こしたLittle Simz(「奥さんには同情している」)は当然参加していないので、LOWのような夫婦ユニットになってしまった。Cleo Solのソロ・アルバムとの差別化が難しい。毎度のことながら、タイトルと曲目、「Produced by Inflo」 としか記されていないけれど、Pino Palladino(ベース)、Chronixx(ホーン、ギター)など、総勢26人のミュージシャンが 「Wikipedia」 に掲載されている。全10曲・43分。デジパック仕様
EGO DEATH AT A BACHELORETTE PARTY (Post Atlantic 2025) Hayley Williams517
Paramoreのリード・ヴォーカルの3rdアルバムはDaniel James(キーボード、ギター、プログラミング)との共同プロデュース。Hayley Williams(ギター、ドラムス、キーボード、ベース)に、バンド・メンバーのBrian Robert Jones(ベース、ギター、マンドリン)、Joey Howard(ベース) も参加している。「私が金持ちにした大勢のバカ野郎たち」 と冷淡に蔑む〈Ice In My OJ〉、加工したヴォイスがJessica Prattを想わせる〈Glum〉など、全20曲・67分。ジュエルケース仕様、歌詞ブックレット(28頁)付き
LUX (Columbia 2025) Rosalia516
スペイン・カタルーニャのSSWロサリア(Rosalia)の4thアルバムは全18曲・60分。「4つの楽章(Mov)に編曲し、13の言語で歌われるオーケストラ・ポップ」(Pitchfork)である。ロンドン交響楽団、カタルーニャ合唱団と共演し、ウクライナ、日本、中国、イタリア、ラテン語などで歌う。〈Berghain〉はBjork、Yves Tumor、〈La Rumba Del Perdón〉はEstrella Morente、Silvia Pérez Cruzとコラボ、〈Memória〉ではCarminhoとデュエットしている。歌詞ブックレット(12頁)付き、ジュエルケース仕様
GETTING KILLED (Partisan / PIAS 2025) Geese515
ギース(Geese)はNYブルックリンで結成されたインディ・ロック・バンド。Foster Hudson(ギター)が離脱して、Max Bassin(ドラムス)、Dominic DiGesu(ベース)、Emily Green(ギタ ー)、Cameron Winter(ヴォーカル、キーボード、ギター)の4人になった4rdアルバムはKnneth Blumeとの共同プロデュース。トランペットを吹きながら、銃口を向けるEmilyのハレーション・カヴァが禍々しく、ワイルドなヴォーカルとパーカッシヴなグルーヴが不穏な緊張感を強いる。全11曲・46分。見開き紙ジャケ仕様
CANCIONERA (Sony Music 2025) Natalia Lafourcade514
《De Todas Las Flores》(2022)と同じく、Adan Jodorowskyと共同プロデュースした10thアルバム。「Cancionera」(歌姫)というタイトルはナタリアの分身でもある。18人のミュージシャンと共にアナログテープにライヴ録音(一発録り)された。ストリングスとEmiliano Dorantesのピアノ、Abraham J. Saenzのフルート、彼女のギターによる〈Cancionera〉、テノール歌手のIsrael Fernándezとデュエットしたボレロ〈Amor Clandestino〉など、全14曲・75分。デジパック仕様、歌詞ブックレット(12頁)付き
WHO IS THE SKY? (Madador 2025) David Byrne513
《American Utopia》(2018)から7年ぶりの9thソロ・アルバムはIan Dury & the Blockheadsの曲から採ったオンライン・マガジン 「reasons to be cheerful」 宛ら、明るく活気に満ちているが、「ポジティヴと陳腐の境界線は曖昧である」(pitchfork)と手厳しい。Ghost Train Orchestraとのコラボ、Kid Harpoonのプロデュ ース。St. Vincentが〈Everybody Laughs〉、Hayley Williams(Paramore)が〈What Is the Reason for It?〉にヴォーカル参加。全12曲・38分。見開き紙ジャケ仕様、6つ折りポスター付き
BLEEDS (Dead Oceans 2025) Wednesday512
ウェンズデイの6thアルバムはEthan Baechtold(ベース)が新加入。Karly Hartzman(ヴォーカル、ギター)と6年間の恋愛関係を解消したMJ Lenderman(ギター)はレコーディングに参加したが、ツアーに帯同しないという。MJとデュエットした〈Phish Pepsi〉、グランジの〈Candy Breath〉、ハードコア・パンクの〈Wasp〉、カントリーゲイズの〈Carolina Murder Suicide〉など全12曲・37分。見開き紙ジャケ仕様、歌詞は無記載。カミラ・ムリナルチク(Kamila Mlynarczyk)の妖怪カヴァがキモ可愛い
A DANGER TO OURSELVES (Rvng Intl. 2025) Lucrecia Dalt 511
コロンビア・ペレイラ生まれ。バルセロナ、ベルリン在住からアメリカ南西部に移住したルクレシア・ダルトの7thアルバムはDavid Sylvianとの共同プロデュース。邪悪な魔女みたいに攻撃的なアルバム・カヴァはコロナ禍にリリースされたLingua Ignota(Kristin Hayter)の 「真珠のマスク」 を思い出させる。〈Caes〉はCamille Mandokと共演、〈Cosa Rara〉はシルヴィ庵、〈The Common Reader〉はJuana Molinaと共作している。英語とスペイン語の全13曲・44分。見開き紙ジャケ仕様、国内盤はボートラ2曲を追加
ANGIE (Because 2025) spill tab510

クレア・チチャ(Claire Chicha)はタイ・バンコク生まれの韓国系フランス人。英語と仏語で歌うウィスパー・ヴォイスのベッドルーム・ポップで、男女11人が雑居するアルバム・イラストのように、多彩な音楽が入り混じる。彼女はピアノ、ギター、ベース、シンセ、ドラムスなどを演奏。ピアノ・バラードをトランペットが盛り上げる〈Adore Me〉、ドラムンベース風の〈Assis〉、808によるレゲエ調の〈Pink Lemonade〉、歪んだギターが暴れ回る〈Angie〉など、全12曲・30分。歌詞ブックレット(16頁)付き
SAYA (Dirty Hit 2025) Saya Gray 509

サヤ・グレイ(Saya Gray)はカナダ・トロント生まれの日系カナダ人ミュージシャン。2ndアルバムは小鳥のような囀りで蒐集した失恋ソング集。立体的に組み立てられた繊細なアッサンブラージュ ・アートのような趣き。フィンガーピッキングとペダルスティール ・ギターのサイケ・フォーク〈Shell (Of A Man)〉、ダビーなトリップホップの〈H.B.W〉、6拍子のロックがラストでシューゲイズ・ニューメタル風に激変する〈Exhaust The Topic〉、インスト間奏曲の〈Cats Cradle〉など、全10曲・39分。スリップケース
ANIMARU (Bayonet 2025) Mei Semones508
芽衣シモネスは米ミシガン生まれのSSW。デビュー・アルバムのタイトルが 「Animal」 のローマ字綴りになってるように、ダンゴムシ(Dangomushi)、ザリガニ(Zarigani)など、曲名や歌詞にも日本語が入り混じっている。〈Donguri〉は 「レオノーラ・キャリントンの 「The Debutante」 の語り手、動物園のハイエナだけが唯一の友達である少女が思い浮かんだ」(Pitchfork)と評される。天使の白い翼が生えたネズミのイラストを描いたのは日本人の母親。全10曲・38分。デジパック仕様、6つ折り歌詞・ポスター付き!
NOBLE AND GODLIKE IN RUIN (Joyful Noise 2025) Deerhoof507

鹿蹄の20thアルバムのタイトルはメアリー・シェリーのゴシック小説から採られている。「低予算でDIY制作したフランケンシュタイン。繊細で、拒絶され、知性があり、人間性を奪われた人造人間」 とGreg Saunier(ドラムス)が述べているように、松崎里美(ヴォーカル、ベース)によるカヴァもメンバー4人の顔を縫い合わせたコラージュ 「ディアフーシュタイン」(Deerhoofstein)になっている。7分に及ぶラストの〈Immigrant Songs〉も強烈。全10曲・34分。見開き紙ジャケ仕様、9つ折り歌詞・ポスター付き
MARAVILHOSAMENTE BEM (Mr. Bongo 2025) Julia Mestre506

Dora Morelenbaum、Lucas Nunes、Zé Ibarraと結成したブラジル・リオのバンド、バーラ・デゼージョ(Bala Desejo)のメンバ ー、ジュリア・メストリ(Julia Mestre)の3ndアルバムはAna Frango Eletricoの《Me Chama de Gato que Eu Sou Sua》(2023)と呼応するようなディスコ愛に溢れている。Rita Lee(Os Mutantes)へのオマージュ〈Sou Fera〉、Marina Lima(ヴォーカル)がゲスト参加した〈Marinou, Limou〉など、全11曲・36分。三面見開き紙ジャケ仕様、9つ折りポスター・歌詞付き
SOS Deluxe: LANA (Top Dawg 2025) SZA505

Rosaliaの《Motomami +》(Columbia 2022)やRemi Wolfの《Juno》(Island 2021)の拡張盤(Deluxe edition)はデジタルDLだけだった。本人の意向なのか、メジャー・レーベルの販売戦略なのかは分からないが、《SOS》(2022)の拡張盤はフィジカル化された。19曲を追加した全42曲(4LP・2CD)というヴォリ ューム以上に驚いたのは刷新されたカヴァ・アートだった。大海原の白い飛び込み台の先端に座った彼女から、鬱蒼とした草叢に佇む面妖な昆虫人間に変身したのだから。仮面ライダーに登場しそう?
FANCY THAT (Warner 2025) PinkPantheress503

映画 「ピンク・パンサー」 と牝豹(Pantheress)の鞄語をステージ・ネームにした英バース生まれのSSW、プロデューサーの2ndミックス・テープ。大英帝国の王冠を戴いたピンクパンサレスが薔薇や口紅や電話ボックスなどに囲まれたコラージュ・カヴァは 「キ ッチュで英国中心的なもの全て」 を象徴しているという。兎の穴に飛び込んだピンクの女豹はUKガラージの地下世界へ舞い降りる。UnderworldやBasement JaxxやJessica Simpsonをサンプリングした全9曲・21分。「The Zine」(24頁)付きスリップケース仕様
ES PREGUNTA (Latency 2025) Tarta Relena502
カタルーニャ出身の女性ヴォーカル・デュオ、タルタ・レレーナの2ndアルバム。Helena Ros RedonとMarta Torrella i Martínezは古代ギリシャ、ラテン、カタルーニャ、ラディーノ語などを駆使して、地中海世界を周遊する。地理的な移動と過去への時間旅行。ギリシャの壺(amphora)をグラスハープのように楽器として使っているのもユニーク。躍動するビートの〈Si veriash a la rana〉 、ヴォイスを加工したエレクトロニカの〈Tamarindo〉など、全11曲・35分。デジパック仕様、歌詞ブックレット(12頁)付き
INSTANT HOLOGRAMS ON METAL FILM (Duophonic 2025) Stereolab 501
ステレオラブ15年ぶりの新録アルバム。《Not Music》(2010)が《Chemical Chords》(2008)の未発表音源だったので、実質的には17年ぶり。レティシア・サディエール(Laetitia Sadier)の無気力な低温ヴォーカルに、Joe Watson(キーボード)とXavi Muñoz(ベース)、Marie Merlet(Monade)のバック・ヴォーカル。急逝したMary Hansenの不在を容易に埋められないのは姪のMolly Readが〈Vermona F Transistor〉にゲスト参加していることからも想像される。全13曲・60分、3連綴り歌詞カード付き
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色合いがそんな感じ。
よく見たら全然ちがうけど、でも、イギリスで、地中にもぐって、意外に共通点がありました。
ぶーけさんの審美眼は◎
「ブリジャートン・スタイル」(米TVドラマ 「ブリジャートン家」)のMVもハチャメチャで可愛い^^
(https://www.youtube.com/watch?v=IrEFKJnl1H8)