2025年02月06日

FAVORITE ALBUMS 25

  • MAISHA (Real World 2024) The Zawose Queens500


  • タンザニアの音楽家フクウェ・ザウォーセ(Hukwe Zawose)には7人の妻と17人の子供がいたという。その娘Pendoと姪の孫娘Leahによる女性デュオの1stアルバム。カヴァ・フォトで2人が掲げている太鼓だけでなく、親指ピアノ、フィドル、シェイカー、マリンバなど、かつては女性が触れることさえ禁じられていたという楽器を愉しそうに演奏して、溌剌としたヴォーカルとコーラスを惹き立てる。Oli Barton-WoodとTom Excell(Nubiyan Twist)の共同プロデュースで、ゴゴ族の伝統音楽とエレクトロ・ポップを融合



  • SINISTER GRIFT (Domino 2025) Panda Bear499


  • 動物園からバンダが消え、人里にクマが出没する中、パンダ・ベア(Noah Lennox)が5年ぶりにアルバムをリリースした。Deakin(Josh Dibb)との共同プロデュース、バンドメイトのAvey Tare(Dave Portner)とGeologist(Brian Weitz)も参加。娘Nadja Lennoxが物語る〈Anywhere But Here〉、Cindy Lee(Patrick Flegel)がギターを弾く〈Defense〉、Rivka Ravede(Spirit Of The Beehive)とMaria Reisがバック・ヴォーカルで歌う〈Ends Meet〉など全10曲・44分、スリップケース、4つ折りカード封入



  • CHOKE ENOUGH (Because 2025) Oklou498

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    オーケールー(Marylou Mayniel)は仏ポワティエ生まれのSSW 、プロデューサー、DJ。Pommeの〈Les Cours D'Eau (Remix)〉 、Flavien Bergerとコラボした〈Toyota〉。1stアルバムはCasey MQとの共同プロデュース。A. G. Cookが参加した〈Thank You For Recording〉、Bladeeとデュエットした〈Take Me By The Hand〉、絵文字タイトルの〈"(;´༎ຶٹ༎ຶ`)"〉など。E-Girlの美学でEnyaをアップデートした 「世界で最も魅力的なサイボーグに見える」(Pitchfork)。全14曲・40分、歌詞ブックレット(20頁)



  • CARRIE & LOWELL (Asthmatic Kitty 2025) Sufjan Stevens497


  • オリジナル・アルバム(2015)に、デモや未発表ヴァージョンなど7曲を追加収録した 「10th Anniversary Edition」。ミックステープ《The Greatest Gift》(2017)に収録された〈Wallowa Lake Monster〉のヴァージョン2と映画 「君の名前で僕を呼んで」(Call Me By Your Name 2017)のサントラ〈Mystery Of Love〉のデモ、〈Fourth Of July〉のロング・ヴァージョン4を含む、全18曲 ・83分(2CD・2LP)。見開き紙ジャケとブックレット(40頁)をスリップケースに同梱。「Pitchfork」 のレヴューは10点満点!



  • AREA SILENZIO (Bureau B 2024) eat-girls496


  • イート・ガールズ(eat-girls)は仏リヨンのElisa Artero Flores(ギター)とAmelie Guillon(キーボード、ドラム・マシン)、Maxence Mesnier(ベース)のポスト・パンク・トリオ(女2・男1)。コロナ禍(COVID-19)のロックダウン中に、アパートに籠って2人でEPを自主制作。マスタリングしたMaxenceが加入して3人になった。全10曲・38分。デジパック仕様。チープなドラム・マシン、ノイジーなベース、無機質なシンセ、飾り気のない呪文のようなヴォーカルはThe RaincoatsやJoy Divisionを想わせる



  • PHONETICS ON AND ON (Matador 2025) Horsegirl495


  • 馬娘(Horsegirl)はZ世代のインディ・ロック・トリオ。Nora ChengとPenelope Lowenstein(ヴォーカル、ギター、ベース) 、Gigi Reece(ドラムス)はデビュー時、まだ10代の高校生だった。2ndアルバムはSSWケイト・ル・ボン(Cate Le Bon)のプロデュースで、シカゴのスタジオ(The Loft)でレコーディングされた。装飾を省いた隙間の多いサウンドは家具の少ないミニマリストの部屋、脱力した低温ヴォイスはレティシア・サディエール(Lætitia Sadier)を想わせる。全11曲・38分。デジパック仕様



  • WHO LET THE DOGS OUT (City Slang 2025) Lambrini Girls494


  • 英ブライトンで結成されたPhoebe Lunny(ヴォーカル、ギター)とLilly Maciera-Bosgelmez(ベース)の女性デュオはBikini Kill直系のライオット・ガルー。バンド名はLunnyが 「売春婦のためのトイレ・ワイン」 と評したペリー酒(低アルコールの洋梨サイダー)に由来する。1stアルバムはDaniel Fox(Gilla Band)との共同プロデュースで、Jack Looker(ドラムス)が参加している。ミソジニー、トランスフォビア、ホモフォビア、性的虐待などを痛烈に批判する全11曲・29分。デジパック仕様、4つ折り歌詞カード付き



  • LIKE A RIBBON (Young 2025) John Glacier493


  • ロンドン出身ラッパーのデビュー・アルバム。ジョンという男性名だが、女性(本名 「No✨」、2万歳!)らしい。5曲入りEP《Like A Ribbon》《Angel's Trumpet》《Duppy Gun》をコンパイルした3部構成。ヒップホップ、UKガレージ、グライム、グリッチ、ドラムンベース、ポスト・パンクに、感情を押し殺したような脱力ヴォイスが揺蕩う。〈Money Shows〉にEartheater、〈Ocean Steppin〉にSampha(ピアノ)がゲスト・ヴォーカル参加している。全15曲・40分。スリップケース仕様、4つ折りポスター入り



  • LA SALUT I LA BELLESA (Bankrobber 2024) Magalí Datzira492


  • マガリ・ダッチェラ(Magalí Datzira Sallas)はスペイン・バルセロナのSSW。1stアルバム《Des De La Cuina》(2023)のカヴァはモノクロ・プロフィール(横顔)だったが、2nd《健康と美容》はベッドの上で脚を伸ばし、左手に持っている本で顔を隠している。彼女のコントラバス、ベース、ギター、ピアノに、ギター、ドラムス、ピアノ、キーボード、サックスという編成で、管楽器のアンサンブルも加わり、ジャズ、フォルクローレ、エレクトロニクスを軽快に横断。全17曲・40分。歌詞ブックレット(12頁)付き



  • EUSEXUA (Young 2025) FKA twigs491

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    FKAツイッグス(Tahliah Debrett Barnett)は英グロスタシャー生まれのSSW。2nd《Magdalene》(2019)、ミックステープ《Caprisongs》(2022)以来3年ぶりの3rdアルバムである。共同プロデューサーのDJ、Koreless(Lewis Roberts)と共作した〈Drums of Death〉、Kate Bushマナーの〈Room of Fools〉、Kanye Westの長女North Westが日本語で 「小枝」 とデュエットする〈Childlike Things〉など、全11曲・43分。デジパック仕様UK盤、歌詞ブックレット(20頁)付き。年間ベスト級のアルバム



  • YOU ARE THE MORNING (Saddest Factory 2025) jasmine.4.t490


  • 英マンチェスターを拠点に活動するトランスジェンダーSSWジャスミン・クルックシャンク(Jasmine Cruickshank)の1stアルバム。Lucy Dacusのツアーに参加した後、Phoebe Bridgersの主宰するレーベルにデモを送ったことから、即決でデビューに至ったという。プロデュースしたboygeniusの3人娘たち、Julien Bakerが〈Tall Girl〉、Lucy Dacusが〈New Shoes〉、Phoebe Bridgersが〈Guy Fawkes Tesco Dissociation〉でデュエットしている。全13曲・40分。紙ジャケ仕様・国内流通仕様CD。歌詞は無記載



  • DIAMOND JEBILEE (W.25th 2025) Cindy Lee489

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    年間ベスト・アルバム1位(Pichfork)に輝いた音源がフィジカル ・リリース(3LP・2CD)された。YouTubeで再生するか 、Webサイトに30ドルを寄付してDLするしかなかった音楽が高音質で聴けるのは多少高額であっても嬉しい。シンディ・リ ーはカナダ人ミュージシャンPatrick Flegel(Women)による女装プロジェクト。全32曲・122分という大作は60年代のガール・グループやロ ック、架空の映画音楽などが時空を超えた妖艶な亡霊のように、「オーランドー」 のように甦る。歌詞ブックレット(12頁)付き



  • FOLKLORE I & II (Seed 2024) Lucia Fumero 488

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    スペイン・バルセロナのピアニスト、SSWルシア・フメロの2ndアルバムは二部構成。Lucia Fumero(ヴォーカル 、キーボード、ギター)、Martín Leiton(ダブルベース、レオナ) 、Juan R. Berbín(ドラムス)のトリオに、Magalí DatziraやRita Payes、Eva Fernándezなどがゲスト参加。デジタル配信(bandcamp)では1枚ずつバラ売りされているが、Rubelの3rdアルバム《As Palavras, Vol.1 & Vol.2》と同じく、CDは1枚に収録。全16曲・59分。トールサイズ紙ジャケ仕様、 特大ポスター(B2判)付き



  • DE CAMINO AL CAMINO (Sony 2024) Rita Payes487

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    スペイン・カタルーニャ(ビラサール・デ・マル)生まれのトロンボーン奏者、SSWリタ・パイエスの3rdアルバムが素晴しい。母親(Elisabeth Roma)のガット・ギターと旦那(Pol Batlle)のストラト・ギター。5拍子で跳ねる〈El Cervatillo〉。弦楽四重奏で歌 った〈Tantas Cosas〉。Silvia Pérez Cruzとデュエットした〈El Panadero〉のライヴで、向かい合って歌う2人は最後に抱き合う(リタのお腹が大きい)。全13曲・54分。歌詞・イラスト入りハードカヴァ仕様(36頁)、レシピ・カードが封入されている



  • IMAGINAL DISK (Mom+Pop 2024) Magdalena Bay486


  • マグダレーナ・ベイはLAを拠点に活動するMica TenenbaumとMatthew Lewinのシンセポップ・デュオ。2ndアルバムでMicaは架空キャラTrueを演じる。地球外生命体(ET)は彼女の額に 「成虫原基」(Imaginal disc)を挿入してアップグレ ードするが、体は拒絶。BFの乗ったUFOがエイリアンに爆破される〈Death & Romance〉、待合室にタイムスリップした〈Image〉など、SFストーリー仕立てのMVも鮮烈でエキセントリックだった。 全15曲 ・54分。見開き紙ジャケ仕様、歌詞ブックレット(20頁)付き



  • RONG WEICKNES (Fat Possum 2024) Fievel Is Glauque485


  • Zach Phillips(キーボード)とMa Clément(ヴォーカル)の邂逅 、NYとブリュッセルのジャズ・ポップ・デュオ。「ファイヴェルは根暗」 という名前は米アニメ映画 「アメリカ物語」(An American Tail 1986)の主人公鼠ファイヴェル(Fievel)と仏語のグローク(Glauque)に由来する。Zachの言葉 「Wrong Weakness」 をMaが誤ったスペルで綴ったという3rdアルバムにはThom Gill、Chris Weisman(ギター)、ベース、ドラムス、サックスなど、6人のミュージシャンが参加している。全15曲・46分、デジパック仕様



  • BRIGHT FUTURE (4AD 2024) Adrianne Lenker484


  • エイドリアン・レンカー(Big Thief)の6thアルバムはアナログ・テープ録音。彼女のギターとピアノ、Nick Hakim(ピアノ)、Mat Davidson(ギター)、Josefin Runsteen(ヴァイオリン)、Philip Weinrobe(ピアノ、バンジョー)という5人編成。Sonic Youthのアルバム《EVOL》(1986)のように、「Love」 を逆読みしたアナグラム〈Evol〉、「Don’t it seem」 の駄洒落唄〈Donut Seam〉、定番曲をセルフ・カヴァした〈Vampire Empire〉を含む全12曲・44分。見開き紙ジャケ仕様、4つ折り歌詞カード付き



  • VIVA TU (Because 2024) Manu Chao483


  • パンク吟遊詩人マヌ・チャオ、17年ぶりの5thアルバムはスペイン 、フランス、ポルトガル、英語で歌う。人生讃歌のルンバ〈Viva Tu〉、Willie Nelsonとデュエットした〈Heaven's Bad Day〉、仏歌手Laetiとコラボした〈Tu Te Vas〉、アルゼンチンの活動家カリーナ・ディアス・モレノ(Carina Diaz Moreno)の言葉をサンプリングした〈Tantas Tierras〉、二輪車配達人を励ます〈São Paulo Motoboy〉など、全13曲・38分。見開き三面紙ジ ャケ仕様、歌詞ブックレット(16頁)付き。変わらぬ健在ぶりに胸熱!



  • UNTAME THE TIGER (Merge 2024) Mary Timony482


  • メアリー・ティモニー(Helium、Ex Hex)、19年ぶりの4thソロ ・アルバム。《Ex Hex》(Lookout! 2005)の 「子猫」から、野性の虎へ豹変したのだろうか。ギタリストとして面目躍如のリフとソロの〈No Thirds〉、過剰なフランジャー効果の〈The Dream〉と〈Looking For The Sun〉、変則チューニングっぽい前奏の〈Untame The Tiger〉など全9曲・40分。どういう人脈なのか、Dave Mattacks(Fairport Convention)が全5曲でドラムを叩いている。見開き紙ジャケ仕様、歌詞ブックレット(8頁)付き



  • MANNING FIREWORLKS (Anti- 2024) MJ Lenderman481


  • ノースカロライナ生まれの25歳、Wednesdayのギタリスト、MJレンダーマンの4thアルバム。嗄れた 「Z世代のニール・ヤング」 みたいなヴォーカルとノイズ・ギターによるオルタナ・カントリーは一聴すると取っつき難いが、繰り返し聴いているうちに病みつきになる。バンドのKarly Hartzman(ヴォーカル)、Xandy Chelmis(ペダル・スチール)、Ethan Baechtold(ピアノ)も参加。10分に及ぶOzzy Osbourneのカヴァ〈Bark At The Moon〉を含む全9曲・39分。見開き紙ジャケ仕様、2つ折り歌詞カード付き


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    ラベル:music Favorites
    posted by sknys at 00:03| Comment(2) | f a v o r i t e s | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
    この記事へのコメント
    ご無沙汰してます。
    こちらは初めてかも。

    ゆっくり試聴させていただいてから、コメントを、と思っていて、ご無沙汰してしまいました。

    宝の山ですね。私が知るには、音楽の世界は広大です。Fievel Is GlauqueとRita Payes、Oklouと片っ端からはまりました。
    Posted by complex Cat at 2025年06月17日 15:28
    こちらこそ、ご無沙汰してます。

    Fievel Is Glauqueはジャズっぽくなく、茶目っ気たっぷり。
    Rita Payesはマタニティー・ブルーなのか、ダーク・ファンタジーの深遠な世界。
    Oklouのアルバム(LP・CD)にはシークレット・トラック(14曲目)が入っています。

    3月下旬にSSブログから引っ越しましたが、総崩れしたレイアウトの手直しが大変でした
    。>﹏<。
    Posted by sknys at 2025年06月18日 14:52
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