

「イヤ! お母さんは出ていかなくていい。私がこのコを連れて出ていくから」
ハルノ 宵子
ある夏の月夜、著者は隣の墓地で真っ白い子猫を拾う。「馬尾神経症候群」 という障害を持っていた。尻尾の脊髄損傷は先天性のものではなく、何らかの事故によるものと思われた。自由に動き回れるけれど、排泄のコントロールが出来ない。「おしっこ・ウンコタレ流し!」 だった。父親(吉本隆明)は「いや〜‥‥オレも尿モレだから、捨てろとは言えないなぁ」と容認するも、潔癖性の母親は猛反対。猫を飼うのならば出て行くと、常套手段を繰り出した。"支配する母" には長女も父親も屈服せざるを得なかった。今まで幾度となく挫折して来たが、この時は未知の力に押されるように、思いもよらぬ言葉が口を衝いたという。少女マンガ家の猫エッセイ『それでも猫は出かけていく』から。
2015・1・21
by sknys (2024-06-07 20:46)
by sknys (2024-06-17 12:15)


The Graduate © 2015 The Estate of Susan Herbert
- ストッキングを履いた猫はジャケットを着た若い猫に、どうやって最終的に彼女と寝ることを承諾させましたか?(正解と思う選択肢をクリックにゃん!)
《参考》
「キャット・クイズ」 が面白すぎたので、「15問目」 を自作してみました。
by sknys (2024-06-28 12:12)
by sknys (2024-07-03 22:24:19)
by sknys (2024-07-09 20:34)
『「教授」 と呼ばれた男』(筑摩書房 2024)の中に、「モレレンバウムは、ボサノヴァの創始者アントニオ・カルロス・ジョビンのバンドの元メンバーで、坂本龍一とアート・リンゼイがプロデュースしたカエターノ・ヴェローソのアルバム『シルクラドー』(Circulado 1991)のレコーディングで知り合った」 という記述がありました。アルバムを聴きたくなって部屋中を探してみたけれど、なかなかアルバム(CD)が見つからないので、(YouTube Music)で手速く試聴しました。〈Fora Da Ordem〉で「新世界の無秩序」と日本語で歌っているのはカズ・マキノ(Blonde Redhead)さんです。
「冷凍庫の片隅で凍っていたハーゲンダッツは不味いし、マイナンバー・カードの申請も手続きの遅延で諦めた。まさに 「新世界の無秩序」(out of new order)ではないかしら?」
by sknys (2024-07-25 20:15)
『異邦人』や『ペスト』は高校時代に読みました。『最初の人間』(新潮社 1996)にも感激しました(サッカー少年だったのね)。カミュの悪筆を読める(判読出来る)人が1人だけいたというエピソードも凄いなぁ!
K**早紀の〈異邦人〉は〈悲しき天使〉のパクリじゃないの?
by sknys (2024-08-01 20:35)
「The Quietus Albums of the Year So Far 2024」 第8位。《Double Negative》(Sub Pop 2018)で泣いた野田努(ele-king)、『「教授」 と呼ばれた男』(筑摩書房 2024)を書いた佐々木敦(X)も絶賛しています。
by sknys (2024-08-04 12:41)
「山田五郎 オトナの教養講座」 でも参照している長尾天の『ジョルジョ・デ・キリコ』(水声社 2020)は必読にゃん!
by sknys (2024-08-10 13:22)
by sknys (2024-08-14 23:48:47)
今でも不思議に思っていることがあります。手許にある『百年の孤独』(1999)の表紙カヴァがレメディオス・ヴァロの〈螺旋の路〉(Spiral Transit 1962)だったこと。作中にはレメディオス・モスコテ、レメディオス(小町娘)、レナータ・メレディオスという3人の女性が登場するけれど、メキシコに亡命したスペインのシュルレアリスム画家との関係はないのに。
トマス・ピンチョンの『競売ナンバー49の叫び』(サンリオ文庫 1985)の表紙に〈大地のマントを織り紡ぐ〉(Embroidering The Earth's Mantle 1961)が使われたのには真っ当な理由がありました。メキシコ・シティで開催されていた 「レメディオス・ヴァロ絵画展」 で〈大地のマントを織り紡ぐ〉を観たエディパ・マースが泣くのだから。デ・キリコの〈愛の歌〉を画集で見たルネ・マグリットが涙を流したように。『V.』も文庫化して欲しいな。
by sknys (2024-08-27 12:00)
by sknys (2024-08-29 18:36)
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ブログ記事に付けた「外コメント」を纏めてみたら結構面白いかも?‥‥というアイディアから生まれた再録シリーズの第75集です。コメントは原則としてオリジナルのまま時系列順に転載。事実誤認(誤記)や誤字・脱字、改行の無効化、句読点や記号・顔文字の有無などを精査。内容の分かり難いコメントには補足説明(註)をして、コメントした元記事にリンクしました。過去3ヵ月間(2024・6・1~8・31)に書いたものの中から、第三者がコメントだけ読んでも面白いものを中心にセレクトしています。「折々のねことば」 は朝日新聞朝刊一面に連載中のコラム 「折々のことば」(鷲田清一)の猫ヴァージョン。スーザン・ハーバートの猫名画は映画 「卒業」(The Graduate 1967)のパロディ。今日から顧みると、主人公は元祖ストーカーで、しかも 「母娘(おやこ)丼」 いただき男子ベンちゃんという、とんでもない鬼畜ストーリー。S&Gの〈Mrs. Robinson〉は今聴いてもカッコ良いけれど。翻訳刊行から52年の時を経て6月に初文庫された『百年の孤独』(新潮社 2024)が売れまくっていますが、表紙は単行本(1999)を踏襲したレメディオス・ヴァロにして欲しかったなぁ。
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- 著者:キャロライン・ポール(Caroline Paul)/ ウェンディ・マクノートン(Wendy MacNaughton)/ グレッグ・ジェンカレッロ(訳)/ 明子・ジェンカレッロ(訳)
- 出版社:講談社
- 発売日: 2018/01/17
- メディア: 単行本(ソフトカヴァ)
- 目次:ティビィ失踪 / 超能力者にすがる / 動物保護施設通い / ティビィの帰還 /「ティビィ追跡作戦」開始 / GPSの線 / キャットカムに写ったものは / ティビィのごちそう / 猫語を習得する / フィビィの急変 / ニャンコの悲しみ / ペット捜査官たち / 新しい地図 / 残酷な真...

- 著者:ハルノ 宵子
- 出版社:晶文社
- 発売日:2023/12/12
- メディア:単行本(ソフトカヴァ)
- 目次:じゃあな!/ 父の手 / eye / 混合比率 / ノラかっ / 党派ぎらい / 蓮と骨 / あの頃 / 小さく稼ぐ / めら星の地より / お気持ち / ヘールボップ彗星の日々 / ギフト / 空の座 / 花見と海と忘年会 / '96夏・狂想曲 / 幻の機械 / 魂の値段 / 境界を越える / ボケるんです !/ 非道な娘 / 片棒 / 銀河飛行船の夜 / 蜃気楼の地 / Tの悲劇 / 孤独のリング / 科学の...

- 著者:スーザン・ハーバート(Susan Herbert)
- 出版社:河出書房新社
- 発売日:2018/08/10
- メディア:単行本
- 内容:ネコがアートの主役になった!ルネサンス絵画や印象派、ラファエロ前派の傑作、そして映画黄金時代の名作をネコで再現! 著者のスーザン・ハーバートは、さまざまな名画、オペラ、映画の場面を題材に、魅力的なネコたちを使って、楽しく、かつ品がある作品を生む水彩画家です。ダヴィンチの『モナリザ』、ゴッ...

- Artist: Corridor (Rock)
- Label: Sub Pop
- Date: 2024/04/26
- Media: LP / Audio CD
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- メディア:ギュリコ缶バッジ 3種(BK / RD / GR)
- 内容:アーティストのヒグチユウコさんが、本展のためにアートワークを描きおろしました。デ・キリコの《不安を与えるミューズたち》からインスパイアされた作品に、ヒグチさんの絵本に出てくる「ギュスターヴくん」が描きこまれています。描き下ろしのアートワークを使用した缶バッジが3種類登場します