猫というヤツは、本当にナゾの生き物なのだ。40年以上どっぷり猫とつき合っていても、いやまして分からない。だから猫の "安心安全" のためには、家の中に閉じ込めておけばいいに決まっている。しかし、それで見ることができるのは、その猫のほんの一面でしかない。/ 猫は人間の周辺でしか生きられないが、どうしたって人間に与しない猫もいる。それを人間に懐かせて、人間の愛を教えてやろうなんて、傲慢極まりない。それに必ず落ちこぼれる猫がいる。猫保護団体は "団体" でしかないので、決して最後まで責任をとってくれない。それは人間のホームレス問題にも通じる。保護して "箱" に入れりゃいいってもんじゃない。最後まで酒でも飲んで、自由に路上にいたいおっちゃんがいるように、猫だって自由でいる "猫権" があるのだ。来るものは拒まず、去る者は追わず、別に懐いてくれなくてもいいし、極寒の夜や病気の時だけ勝手に入ってくれりゃいい。『猫屋台』は、猫にとって、そんなドヤ街の診療所や、かけ込み寺として機能しているのだ──ってね、それ猫だけだからね!うちおじさん寺じゃないからね。
ハルノ 宵子 『猫屋台日乗』b 安部公房生誕100年『砂の女』(1962)、『他人の顔』(1964)、『燃えつきた地図』(1967)などは高校時代に図書室から借り出して読みました。『壁』(1951)や『第四間氷期』(1959)などは文庫本、『箱男』(1973)、『密会』(1977)などは単行本だったかな?
村上春樹が奥さんに 「ライカ」(Leica)をプレゼントしたのですが、ずっと陽子夫人は「レイカ」というバッタもんだったと思っていたというエピソードを思い出しました。安部公房全作品を読破しているヤマザキマリが
「芸術新潮」(2024年3月号)に寄稿していないのは不可解にゃん。
by sknys (2024-03-24 16:06) b 坂本龍一■一周忌『音楽は自由にする』『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』『坂本図書』などを読みました。財津一郎の 「♪みんな まわるく タケモトピアノ」 のCMソングと振り付けがリピートされたという手術後の譫妄には不謹慎ながら笑ってしまいました。「ラスト・エンペラー」 の映画音楽を二週間で作曲したとか、「死んでもやりなさい」 というパートナーの(心ない?)叱責とか、過度のプレッシャーとストレスが寿命を縮めたんじゃないかと邪推したり。『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』の巻末に 「フューネラル・プレイリスト」 が掲載されていました。教授が
《ATLAS》(Awe 2023)を聴けなかったのはローレル・ヘイロー女史も残念に思っているのではないかしら?
by sknys (2024-03-30 12:49) b フラヴィアン・ベルジェ(Flavien Berger)フラヴィアン・ベルジェはアロー・モード(Halo Maud)の2ndアルバム
《Celebrate》(Heavenly 2024)の中で、Fred Frith(Genevieve Letarte & Rene Lussier)の〈Iceberg〉を彼女とカヴァしています。
ポム(Pomme)さんの3rdアルバムが再発(5曲多い拡張盤)されていたんですね。2ndの「ハロウィン・エディション」は買い直したんですが、どうしようかなぁ?
by sknys (2024-04-09 17:07:29) b 京都市京セラ美術館「キュビスム展」しーちゃんならば絶対に観に行くと思っていました。殺風景な西美(ル・コルビュジエ)よりも、京セラの方が愉しそうですね。松井裕美の
『キュビスム芸術史』(←学術論文じゃん !)は読了するのに難儀しましたが、山田五郎のオトナの教養講座
「キュビスムって何?」 は分かりやすくて面白い。二代目アシスタントのウリタニさん(瓜谷茜)も良い感じ。
by sknys (2024-04-22 12:27) b ミミちゃんが7歳になりました。── 魅惑の黒猫 2ミミちゃん、満7歳の誕生日おめでとう。相変わらず精悍な面構え、眼光鋭いですね。22歳まで長生きしたら、「猫又」 になっちゃうかもしれませんよ。
by sknys (2024-04-25 00:20:30) b 忍法十番勝負「冒険王」(1963年12月号)の予告では「新企画の忍者まんが忍法十番勝負 "伊賀忍法帳" をめぐるすさまじい忍者たちの勝負を、人気まんが家十人が十回にわけて競作する、忍者まんがの決定版 !!」と予告されていましたが、大阪城の抜け穴を記した絵図面を忍者たちが奪い合う「巻物争奪戦」に変更されたそうです。「伊賀の影丸」 に瓜二つの伊賀丸が主人公の 「八番勝負」(小沢さとる)は笑いました。
『忍法十番勝負』の白眉はホッコリしたラスト・カットに心温まる白土三平の 「犬万」 でしょうか。人間の方が野獣よりも残忍だったりして?
by sknys (2024-04-27 13:21) b 謎の黒い機体オーディオ・セットが黒一色、重いほど良い(10kg以上)みたいな時代がありましたよね。アンプの天板に漬物石を載せると音質が向上するとか? 数十年前の黒いアンプは流石にポンコツ化しているので、CDP(SONY XA5ES)に直接ヘッドフォンを刺して聴いています。
C**図書館の「横山光輝コーナー」 で読んでみましたが、ブラックオックスは本当に強か った。「鉄人28号の像」 もあるのですが、館内は撮影禁止で撮れませんでした(撮った写真を削除させられた)。
「キュビスム展」(東京都美術館 2023~24)ではピカソもブラックも、殆どの作品が撮れたのにね。
by sknys (2024-04-28 10:53) b 今なお、新たなサウンドにも挑戦 ── Kim Gordonの2ndアルバム《The Collective》ラップが古いというレヴューもあったけれど、キム姐さんのヴォーカル・スタイルはSonic Youth時代から不変です。ジェニファー・イーガンの同名小説から着想したという〈The Candy House〉や盟友Julie Cafritz(Free Kitten)の在籍したバンド名(Pussy Galore)を叫んで、「Pussy Pussy Pussy!」 と連呼する〈It's Dark Inside〉など、全11曲・41分。見開き紙ジャケ仕様、ポスター付き。ツイッグ・ハーパー(Twig Harper)はアルバム・カヴァ写真を一体どうやって撮ったのかしら?
by sknys (2024-04-28 13: 34) P.S.〈Kim Gordon's Panties〉が物議を醸したこともあるインディ・ロック必殺録音請負人スティーヴ・アルビニ
(Steve Albini)が急死しました。
by sknys (2024-05-09 12: 26) b 追悼:スティーヴ・アルビニ 「Lil BUB's Big SHOW」(Episode 3 2013)の中で、「どんな有名なバンドとレコーディングしたことがあるの?」 というリル・バブちゃんの質問に、「The Pixies、The Breeders、Nirvana、Bush、Jimmy Page & Robert Plant、PJ Harvey」 の名前を挙げて、イリノイ 州シカゴのスタジオ(Electrical Audio)に彼女を案内していたアルビニの笑顔が忘れられません。RIP
by sknys (2024-05-14 20:04) b 佐々木敦『「教授」 と呼ばれた男』〈Forbidden Colours〉(1983)をダブ&カットアップしたマーク・スチュワート(The Pop Group)が教授の後を追うように亡くなった時もショックでしたが、スティーヴ・アルビニ(Shellac)の急死(5月7日)には絶句しました。
佐々木敦も
「スティーヴ・アルビニが死んでしまった」 とSNS(X)に投稿しています。
by sknys (2024-05-21 00:38) *
ブログ記事に付けた「外コメント」を纏めてみたら結構面白いかも?‥‥というアイディアから生まれた再録シリーズの第74集です。コメントは原則としてオリジナルのまま時系列順に転載。事実誤認(誤記)や誤字・脱字、改行の無効化、句読点や記号・顔文字の有無などを精査。内容の分かり難いコメントには補足説明(註)をして、コメントした元記事にリンクしました。過去3ヵ月間(2024・3・1~5・31)に書いたものの中から、第三者がコメントだけ読んでも面白いものを中心にセレクトしています。ハルノ宵子の
『猫屋台日乗』(幻冬舎 2024)は 「猫本」 にあらず。ヤマザキマリは
『(霊媒の話より)題未定』(新潮社 2024)の解説を書いています。「フューネラル・プレイリスト」 の最後の1曲は〈Ob-La-Di, Ob-La-Da〉で決まり、「人生は山あり谷あり」
(村上RADIO)じゃん、などと浮かれていたら、突然の訃報(2024・5・7)に凍りつきました。虹の橋を渡ったリル・バブ
(Lil Bub 2011~ 2019)の死から4年半後に、アルビニ
(Steve Albini 1962~2024)も逝ってしまうとは!
*
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芸術新潮 2024年3月号
- 特集:生誕100年記念 わたしたちには安部公房が必要だ
- 出版社:新潮社
- 発売日:2024/02/24
- メディア:雑誌
- 目次:【生誕100年記念 特集】わたしたちには安部公房が必要だ / キーワードでひらく安部文学の扉 / 石井岳龍監督インタヴュー「映画『砂の女』は、もはや世界遺産です」/ 走る文豪──クルマと安部公房 / いま読みたい 安部公房ブックガイド10 / Kobo Abe as Photographer 都市を盗る / メビウスの輪を歩く人間 写真と安部公房 / ...

猫屋台日乗
- 著者:ハルノ 宵子
- 出版社:幻冬舎
- 発売日:2024/01/24
- メディア:単行本
- 目次:「猫屋台」 というところ / リスクの偶然性 / 家庭の味 / "生" が好き / 名もなき料理 / 殺意の食卓 / 境界線上のオジサン / 星降る夜のピザ / 脱腸入院 / 脱腸入院・キョーフの夜 / 脱腸入院・ひにちぐすり / デイ・ドリーム・ビリーバー / 魔界時間で営業中 / Sさんはあきらめない / ピアノ・マン / コロナ下のあだ花 / 老舗の矜持 / Sさんは2度来る / オ...

ぼくはあと何回、満月を見るだろう
- 著者:坂本 龍一
- 出版社:新潮社
- 発売日:2023/06/21
- メディア:単行本
- 目次:ガンと生きる / 母へのレクイエム / 自然には敵わない / 旅とクリエイション / 初めての挫折 / さらなる大きな山へ / 新たな才能との出会い / 未来に遺すもの / 著者に代わってのあとがき 鈴木正文 / フューネラル・プレイリスト / 年譜

Celebrate
- Artist: Halo Maud
- Label: Heavenly
- Date: 2024/03/22
- Madia: LP / Audio CD
- Songs: Celebrate / Terres Infinies / My Desire Is Pure / Last Day Song / Slowly Surely / Catch The Wave / Le Ciel Est grand / You Float / À Te Voir / Iceberg / Pesnopoïka / Entends-Tu Ma Voix

The Collective
- Label: Matador
- Date: 2024/03/08
- Media: Audio CD
- Songs: Celebrate / Terres Infinies / My Desire Is Pure / Last Day Song / Slowly Surely / Catch The Wave / Le Ciel Est grand / You Float / À Te Voir / Iceberg / Pesnopoïka / Entends-Tu Ma Voix

To All Trains
- Artist: Shellac
- Label: Touch & Go
- Date: 2024/05/17
- Media: LP / Audio CD
- Songs: Wsod / Girl From Outside / Chick New Wave / Tattoos / Wednesday / Scrappers / Days Are Dogs / How I Wrote How I Wrote Elastic Man (cock & bull) / Scabby The Rat / I Don't Fear Hell
猫権ってあるのかもしれません。
ウチには中に5匹、外に約5匹 (時によって変動)
猫がいますが、
家のなかにいながら外にいたほうが良さそうなのと、
外にいるんだけどなかに入りたそうなのがいて、
なかなかむずかしいです。
猫ボランティアのNPOみたいな人と
一度ケンカしました。(笑)
トラーを放し飼いしていた金井美恵子の方がポスト・パンクだったりして^^;
飼いネコを室内に閉じ込め、外ネコの耳先カット(TNR)が徹底されると、
街からネコの姿が消えてしまうのではないかと危惧します。
岩合さんの「ネコ歩き」も難しくなっちゃうのではないか。
屋内で生まれた(外界を知らない)ネコは平気かもしれませんが、
野外で育ったノラは出たがるんじゃないかと思ったり‥‥
10匹も飼っている愛猫家と知って、近親感が増しました^^