私の語ろうとしている都市(東京)は、次のような貴重な逆説、《いかにもこの都市は中心をもっている。だが、その中心は空虚である》という逆説を示してくれる。禁域であって、しかも同時にどうでも良い場所、緑に蔽われ、お濠によって防禦されていて、文字通り誰からも見られることのない皇帝の住む御所、そのまわりをこの都市の全体がめぐっている。毎日毎日、鉄砲玉のように急速に精力的ですばやい運転で、タクシーはこの円環を迂回している。この円の低い頂点、不可視性の可視的な形、これは神聖なる《無》をかくしている。現代の最も強大な二大都市の一つであるこの首都は、城壁と濠水と屋根と樹木との不透明な環のまわりに造られているのだが、しかしその中心そのものは、なんらかの力を放射するためにそこにあるのではなく、都市のいっさいの動きに空虚な中心点を与えて、動きの循環に永久の迂回を強制するために、そこにあるのである。このようにして、空虚な主体にそって、〔非現実的で〕想像的な世界が迂回してまた方向を変えながら、循環しつつ拡がっているのである。
ロラン・バルト 「中心 - 都市 空虚の中心」♭ 温故知新・宇宙・近未来 ── キベレーの幻想寺山修司の実験映画からタイトルを採ったという『トマト・ケチャップ皇帝』
(Emperor Tomato Ketchup 1996)は大好きなアルバムです。ブヒョブヒョ鳴り響くアナログ・シンセと硬質で軽やかなヴィブラフォンの競演。踊れない5拍子の〈Percolator〉。ブリッジ部分の反復パートが不安になるほど長い
〈Cybele's Reverie〉のPVは、ふじにぃさんの記事にあるように、怪奇SF映画っぽい趣きがあります。Stereolabは交通事故でMary Hansenを失い、Tim GaneとLaetitia Sadierのカップルも私生活で破局‥‥男女カップルのバンドは相思相愛の時は良いけれど、2人の仲が気不味くなると危機的状況に陥ってしまう。4年振りに新曲(PV)を公開したDirty Projectorも危ないかもしれません。
by sknys (2016-09-24 20:32) ♭ 額装しました- 今日はなぞなぞの日
額縁・画材店がアルバイトを募集しました。面接に来たのは女子美大生、画家の卵、修行中の坊さんの3人。採用されたのは誰でしょう?
by sknys (2016-10-13 12:38)♭ 流行 ── 万聖節の宵祭 2016物見遊山で渋谷へ行って来ました。昨年のハロウィンはスクランブル交差点を渡れず、センター街も身動き出来ないほどの大混雑でしたが、今年は仮装している人も少なかったような?‥‥ピークは前日(日曜)だったのでしょうか。ちなみに仮装・コスプレはしていません。気味悪いけれど愉しいハロウィン。エイリアンが混じっていても、誰にも気づかれないかも‥‥。人類が滅亡した後、一体どのような生物が誕生〜進化するのか興味あります。
『火の鳥・未来編』(COM 1967-68)はナメクジでしたね。
by sknys (2016-11-02 19:59)♭ PPPTVに出演していた古坂大魔王に比べると、ピコ太郎はキャラを作り込んでいる。パンチパーマ男のオカマっぽい仕草(踊り?)は怪しい手品師みたい。Beach Houseの
《Depression Cherry》(Sub Pop 2015)は取扱要注意!‥‥ヴェルヴェット風の肌触りなんですが、すぐハゲて来ちゃう。
by sknys (2016-11-13 20:23) ♭ ブラック・スワン「山岸凉子展 光(てらす)」(弥生美術館 9月30日~12月25日)に行って来ました。「初展示を含む原画約200点を一挙公開」と謳っているけれど、前・中・後期(前・後期は同じ展示内容)で60点以上の展示入れ替えがあります。もう1回観に行かなくっちゃ。
by sknys (2016-11-14 19:08) ♭ 実りの秋 その2楕円形のフルーツ皿なのね。愛用しているノートブック(MacBook Pro)と殆ど同じサイズ(32.5 ×22.7cm)です。
- 今日はなぞなぞの日 その2
ヒラリー・クリントンとドナルド・トランプがラスベガスのカジノで、「ブラック・ジャック」をしました。勝利したトランプ氏の2枚の手札は何と何でしょう?
by sknys (2016-11-15 19:08) ♭ 右手負傷歩行者に何の落ち度がなくても、空から鉄骨が落ちて来たり、道路が陥没したり、暴走車が突っ込んで来る危険と隣り合わせの時代。重傷でなくて良かったと思います。自転車で転倒して左肘を骨折した男性
(kovaioさん)や居間で躓いて右腕を骨折した女性
(ぶーけさん)ブロガーにもコメントしましたが、高校の体育で柔道が必修だったこともあって、今まで転んで骨折したことは1度もありません。躰が無意識に受け身を取るようです。
by sknys (2016-11-18 00:38) ♭ 都内某所より ── 眺めのいい部屋「眺めのいい部屋」からの風景でしょうか?‥‥ロラン・バルトは《いかにもこの都市は中心をもっている。だが、その中心は空虚である》と書いていた。少年たちが東京の地下を探検していたら、皇居に出ちゃったという大友克洋の短篇
「SOS大東京探検隊」(マンガ少年 1980)がありましたね。
by sknys (2016-11-19 19:40:56)♭ 磁器カメオ- 今夜はかいぶんの夜
お粧し知事カメオ(おめかしちじかめお)
男性はスーツやネクタイの色や柄を変えるくらいですが、女性はファッション全体に気を配らなければならないので大変だと思います。K池知事にスタイリストは付いているのかな?
by sknys (2016-11-22 23:09) ♭ 弥生美術館・竹久夢二美術館 ── メタモルフォシス展細い描線とカラーインクの色合い、細密に描かれたモノクロームの美しさは雑誌や単行本や画集などの印刷物では再現出来ないことを痛感!‥‥
「山岸凉子展 光」の素晴しさは拙ブログに書いたので、気に懸かったことを改めて書き留めておきます。
- 多くの原画がガラス・ケースの中に収まっているため、至近距離から舐めるように鑑賞出来ないこと。
- 前・後期、中期で約67点もの入れ替えがあること(熱心なファンは2度足を運ばなければならず、結果的に高い入場料を払うことになる)。
- チラシや展示目録もなく、チケットのデザインも汎用のもので「日出処の天子」(厩戸王子)ではなかったこと(註:チラシはチケット売場で貰えました。裏面は「竹久夢二 本からはじまるメッセージ展」ですが)。
ちなみに
「萩尾望都SF原画展」(武蔵野市立吉祥寺美術館 2016)の入館料は100円で、無料の「展示リスト」も用意されていました。
by sknys (2016-11-24 18:38:31) *
ブログ記事に付けた「外コメント」を纏めてみたら結構面白いかも?‥‥というアイディアから生まれた再録シリーズの第44集です。コメントは原則としてオリジナルのまま時系列順に転載‥‥事実誤認(誤記)や誤字・脱字、改行の無効化、句読点や記号・顔文字の有無などを精査。内容の分かり難いコメントには補足説明(註)を加え、コメントした元記事にリンクしました。過去3ヵ月間(2016/09/01~11/30)に書いたものの中から、第三者がコメントだけ読んでも面白いものを中心にセレクトしています。
〈マサルさま〉から派生した「今日はなぞなぞの日」‥‥回文からストーリを考えるのと同じように、駄洒落から逆に問題を作る過程が面白い。世界を揺るがした米大統領選やPPAP(ピコ太郎)も興味深いけれど、本ブログ的には
「山岸凉子展 光(てらす)」(弥生美術館)に興奮した(
〈メタモルフォシス展〉参照)。熱心なファンならば2回(前・後期、中期)、足を運ぶ価値がある。ちなみに写真のネコ
(デカ目にゃんこ)は無修正です。
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Emperor Tomato Ketchup
- Artist: Stereolab
- Label: Elektra / Wea
- Date: 1996/03/11
- Media: Audio CD
- Songs: Metronomic Underground / Cybele's Reverie / Percolator / Les Yper-Sound / Spark Plug / OLV 26 / The Noise Of Carpet / Tomorrow Is Already Here / Emperor Tomato Ketchup / Monstre Sacre / Motoroller Scalatron / Slow Fast Hazel / Anonymous Collective

Depression Cherry
- Artist: Beach House
- Label: Hostess Entertainment
- Date: 2015/08/28
- Media: Audio CD
- Songs: Levitation / Sparks / Space Song / Beyond Love / 10:37 / PPP / Wildflower / Bluebird / Days Of Candy

火の鳥《オリジナル版》復刻大全集 未来編
- 著者:手塚 治虫
- 出版社:復刊ドットコム
- 発売日:2011/07/25
- メディア:大型本
- 目次:「COM」 1967年12月号 / 1968年1月号 / 1968年2月号 / 1968年3月号 / 1968年4月号 / 1968年5月号 / 1968年6月号 / 1968年7月号 / 1968年8月号 / 1968年9月号 / エッセイ・火の鳥と私 /「火の鳥」虫プロ商事単行本リスト

火の鳥 2・未来編
- 著者:手塚 治虫
- 出版社:朝日新聞出版
- 発売日:2009/05/20
- メディア:コミック
- 目次:

SOS大東京探検隊
- 著者:大友 克洋
- 出版社:講談社
- 発売日:1996/02/03
- メディア:コミック
- 目次:SOS大東京探検隊 / RUN / SPEED / 猫はよく朝方に帰ってくる / 危ない!生徒会長 / 訪問者 / サン・バーグズヒルの想い出 / 大友克洋の栄養満点!/ マドロスくん / とことんそれまでくん/日常の中の物語 / 上を向いて歩こう / 火之要鎮

表徴の帝国
- 著者:ロラン・バルト(Roland Barthes)/ 宗 左近(訳)
- 出版社:筑摩書房
- 発売日:1996/11/07
- メディア:文庫
- 目次:かなた / 見知らぬ言葉 / 沈黙の言語 / 水と破片 / 箸 / 中心のない食物 / すきま / パチンコ / 中心‐都市 空虚の中心 / 所番地なし / 駅 / 包み / 三つの表現体 / 魂あるものと魂なきもの / 内部と外部 / 平身低頭 / 意味の家宅侵入 / 意味の疎外 / 偶発事 / こんな / 文房具店 / 書かれた顔 / 数百万の個体 / 瞼 / 暴力の表現体 / 表徴の部屋 / 図版説明 / ...